2000年度 卒業生に
みなさんとすごすことができたのは
わずかに四年。
こんなふうに人は出会い
そして別れていきます。
再び会う機会が
めぐり来ることはもはやない。
そんな人もあるでしょう。
だからこそ
出会いのときは大切です。
このつぎ
いつ会うことができるのか
だれにも何も
たしかなことはわからない。
ならばせめて
いっしょにいることができる
今を
かけがえのない時
とりかえしのつかない時
やりなおしのきかない時として
大切にしなければなりません。
しかしわたしたちは
忘れてしまいます。
いっしょにいることができる
今という時の重さを。
明日もまた今日と同じように
一日が過ぎ
明日もまた会えると、
うっかり考えるそのときに
はかり損ねてしまうのです。
時の重さを。
別れ行くこのときに
今いちど思い出しましょう。
過ぎてしまった時は
一瞬たりとも
とりもどすことはかなわない
ということを。
過ぎていく瞬間を
ひとつひとつ大切に
踏みしめながら進むとき
風のそよぎの中にさえ
意味があることを
わたしたちは知るでしょう。
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